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セクシャル・ハラスメント(損害賠償請求) 判例

京都地方裁判所 平成10年(ワ)1467号

2001年3月22日 判決

〈当時者〉原告 個人1名

     被告 個人1名、銀行

〈事件概要〉

  原告は平成2年4月に被告銀行に入行し、京都支店に配属された女性であり、被告Aは、平成7年5月から同10年3月まで被告銀行京都支店長を務めた。被告Aは平成9年11月19日、被告Aは原告を食事に誘ったところ、原告は自分のことをよく知ってもらおうと、また、被告の原告や他の女子社員に対する傷つけるような言動を改めてもらう注意する良い機会と考え、この誘いに応じた。夕食後の二次会の会場において、被告は、原告が拒否しているにもかかわらず、原告の手を握り、撫で回すなどした。さらには原告が既婚者であり子供もいる旨を伝え、被告から逃れようとしたが、頬や唇に接吻し、被告の身体、胸に触るなどのセクハラ行為を行った。

 さらに、翌20日被告は原告に対し、被告支店長室に来るようメールを送り、それに対し、原告は被告のなしたセクハラ行為に落胆し、さらには今後の誘いに応じない旨を返信したが、被告は同月21日以降も、被告に度々誘いのメールを送った。(以下、本件という。)

 本件行為について、原告は課長に事実を告げ、課長は被告に対するセクハラ調査を行った結果、事実を確認し、被告を本店に転任させ、セクハラ行為を理由に譴責処分を行い、普通退職をさせた。

原告は、被告に対する処分に失望し、訴訟を起こすために同僚に協力を求めたところ、同僚たちは原告を避け始め、原告は孤立感を深めた。セクハラ問題について真剣に取り組む姿勢が感じられなかったことから、原告は被告銀行で働く展望が持てなくなり、同年6月に退職した。原告は、被告のセクハラ行為によって、身体・精神に不調をきたし、被告銀行を退職せざるを得なくなったこと、被告銀行は職場環境を調整する義務としてのセクハラ行為を事前に防止する義務を怠ったことを主張して、被告A及び被告銀行に対し、連帯して慰謝料1000万円、遺失利益933万円3860円及び弁護士費用190万円を請求した。

〈判決〉被告らは連帯して、原告に対し、金676万8960円支払うこと。

〈考察〉

 被告が2次会において行った行為は、典型的かつ悪質なセクハラ行為だと思います。被告は、原告の人事を簡単に左右できる支店長という立場であるため、部下である原告は決定的な対立を避け、その体面を損なわないように、やんわりといやがっていることを逆手に捉え、セクハラ行為を続けていったのだと思われます。セクハラについて、原告がすぐに課長に申し出たのは、早めの対策として泣き寝入りを防ぐためにも良い方法であったと思います。しかし、会社の対応は被害者の納得のいくものではありませんでした。訴訟を起こそうとした被害者は、同僚の協力が得られず、職場で孤立し、退職も余儀なくされてしまったので、セクハラについては、周りの協力が不可欠であり、アフターケアもしなければならないと思いました。セクハラについての対策は、当事者同士だけではなく、会社の対応も大きく関わってくるので、セクハラ被害にあってから会社側に相談して、それでも止まない場合には、被告に対して内容証明を送り、セクハラ行為を止めてもらい、慰謝料を請求するという方法があると思います。しかし、会社が、被害者が職場に居づらくならないように配慮してくれるのかは、疑問です。